NMR 調整の手順(2006.Apr.12 by T.Iwata)
>attenatorを1つをシンセサイザーに取り付ける
>シンセサイザー出力をQ-meterの入り口で400mV(peak to peak, 50 ohm load)に調整
>コイルをQ-meterに直接取り付ける
>diode outを広い周波数レンジ(たとえば、20-250MHz)で見る
>dipが見つかったら、Cを変化させて、その動きを観測
>そのdipが20MHz以上動けば、Qである可能性が大きい
>Cを変化させ、NMRの共鳴周波数までdipを移動
>dipが+3から+4Vにあればよい
>psd outを観測(diode out とpsd out の極性は逆なので、psd out でのQは上に凸)
>diode outのdipに対応するストラクチャーがpsd outに見えればよい。
このとき、必ずしもbumpが見えなくてもよい。
>Cを微小変化させ、diode outのdipとpsd outのストラクチャーが
連動することを確認。
>コイルをクライオスタットに装着
>diode outで dipを確認
>コイルまでのケーブルの長さを半波長の整数倍に調整。
室温で使用する同軸ケーブル(UT-85)に対する106.35MHzでの半波長は
98.63cmである。また、クライオスタット内の同軸ケーブル長は約198cm。
>diode outを見ながらCを変化させ、Q-curveを共鳴周波数に合わせる。
>psd outのストラクチャーが左右対称なpumpになるようにQ-meterの
phase shifter cable の長さを調整する(ケーブルの交換および結合)。
>最終的に、diode out のdipとpsd out のbumpが同じ位置に左右対称に見えれば理想的。
>これで、調整終了。
*Qを見失った時に探すコツ
*Qを含む構造は全体で5MHz以上にわたっている
*Cを変化させても5MHz程度しか、動かない構造は、backgroundなので
無視する。
*スペクトルに直線部分があるときは、アンプが飽和しているので、
ゲインを落とすか、シンセサイザーの出力を落とすか、attenuatorを
利用する。
*コイルのLをなるべく正確に把握することが重要。そのためには、
共鳴周波数の上限と下限を知っておくと便利。Q-meter回路の可変コンデンサーの変化域は
6.3-79pFであり、Cが最大の時に共鳴周波数の下限が、最小の時に
上限が得られる。これからLが推測される。