研究目的

原子を構成する素粒子である電子、陽子、中性子は、自転に対応する重要な物理量であるスピンという内部自由度を持ち、 このため小さな磁石として振舞うことが知られている。 そしてこれらのスピンは、さまざまな分野で応用されている。電子スピンを利用したESR、陽子など原子核のスピンを利用したMRIやNMR、 スピンをそろえた中性子ビームを用いた偏極中性子回折など、である。

さらに、電磁波が量子化された光子もスピンを持ち、スピンの表れである偏光を利用した応用研究が行われている。 このようなスピンの応用はそれぞれの分野での必要性に応じて、独自に発展してきたため、分野間の横のつながりが希薄であった。 一方、陽子や中性子などの構造を、クォークレベルで理解する場合、そのスピンの起源は、いまだにはっきりしていない。

本研究では、スピンをキーワードとして関連する研究者を結集し、学際的なネットワークを活用し、 スピンを用いた新たな応用研究を発展させるとともに、スピンの起源を探るなどの基礎研究を推進する。

戻る